ヴォーカルのロブ・ハルフォードの広い音域を生かした歌唱(特にシャウト)と グレン・ティプトンとK. K. ダウニングのツインリードギターが特徴。初期の頃は(ブリティッシュ系)ハードロック要素も強い。アルバム『TURBO』ではシンセサイザーを起用し、ポップ色の導入を図る。
1970年代中期には袖や裾がヒラヒラした衣装や、カウボーイハットを着用したりしてステージに上がっていた彼らだが、1979年の『Killing Machine』(国によっては『Hell Bent For Leather』という名で発表された)を境に、レザー&スタッドを基調とした男らしいファッションに転向した。
ジュダス・プリーストは1982年に「Screaming for Vengeance」リリース後落ち目になってしまったが、ヘビーで鋭利かつメロディックなこのアルバムを出したバンドとして記憶に残るほうがいいだろう。アルバムにはヘビーかつノリのいいサウンドが烈火のごとく燃える、彼らの一番のヒット曲「You've Got Another Thing Coming」や、妥協を許さないターボ炸裂のタイトル曲、「Electric Eye」が収められている。最初から最後まで、齧歯(げっし)動物や子犬を殺してしまうようなロブ・ハフフォードのうなり声が響きまくり、K.K. ダウニングとグレン・ティップトンが吸い込まれてしまうような強烈なリフを爆発させる。まさに王道。この2001年のリマスターは、ボーナストラックとしてこれまで入手不可能だったスタジオ収録された「Prisoner of Your Eyes」と「Devil's Child」のライブ版を含む。
METAL GOD IS BACK! 不朽の名作『PAINKILLER』から約14年、ファン待望の新作がついに登場。ロブ・ハルフォードが復帰を果たし、プロデューサーにはロイZを迎えた大注目作だ。「神」と呼ばれる男たちのヘヴィ・メタルが21世紀の新たな幕を開ける!
このジューダス・プリーストの30分に及ぶ復活ドキュメンタリーDVD付きアルバムは、オリジナルとしては15年ぶりのリリースとなる。スローなギターのクレッシェンドから、冒頭の叫びへと突入、この再結成され、甦ったプリーストの新しい曲はひとつの事をはっきりと知らしめている。バンドが戻ってきて、ハードロックの巨人として再び君臨する準備は整っていると。曲、製作、パフォーマンス、すべてが『British Steel』、『Screaming For Vengeance』(邦題『復讐の叫び』)と言ったクラシックに匹敵する出来だ。そしてこのアルバムは、オープニングの唸るような「Judas Is Rising」からさらにダイレクトにリリカルな呪い(“悪魔”としての『Painkiller』、“天使”としての『Sad Wings of Destiny』(邦題『運命の翼』))までプリーストの過去を物語ってもいる。だが、新しい実験もある。よりスローで、よりダーク、そしてハルフォードが『Crucible』を過小評価している明らかな部分も見え隠れし、リスナーにこのバンドは過去の栄冠に浸るつもりはないと伝えている。そこがはっきりとわかるのは、10分間に及ぶ最後の曲「Lock Ness」だ。壮大な曲で、オーペスの傑作『Deliverance』に引けを取らない。聞き逃すな。メタル・ゴッドは確かに戻ってきた。(Robert Arambel, Amazon.com)